アコンカグアってどんな山?
アコンカグアはアンデス山脈にある山で、アルゼンチンとチリの国境付近のアルゼンチン側に位置しています。標高は6,962m。ルートを選べば、高度な技術が必要というわけではありませんが、ビエント・ブランコ(白い嵐)と呼ばれるアンデス地方特有の悪天候に見舞われると行動が難しくなります。そのため、登頂成功率は30%と決して高い数字ではありません。
ベースキャンプは世界一と言われる程の充実ぶりで、なんとアートギャラリーも!
最寄りの町・メンドーサは、ワインの産地として、世界的に有名。近郊にはたくさんのワイナリーがあり、観光を楽しむこともできます。
DAC登頂隊が辿ったルート
アコンカグアの一般的なルートは主に2本。
北西面ルート(ノーマルルート)、北東面ルート(ポーランドルート)があります。ここでは、登山者の80%が選ぶとされている北西面ルートで登頂を目指しました。
登山のポイントと必要なトレーニング
アコンカグアは北西面ルート(ノーマルルート)から登ると技術的に困難な場所はありませんが、天候によっては、-20度以下になることも。また、標高が7,000m近くあり、高度順化するためのトレーニングは必須となります。そして、長期間のテント生活や長時間のアタックに耐えうる強靭な肉体や精神力が必要となってきます。テントや食料などの重い荷物を背負うので、その練習もしておきましょう。
高度順化するためには日本では【3000m級の山に登る】【低酸素室でトレーニング】の2つの方法があります。
ここでは、セブンサミッツのガイドを務めてくださっている倉岡裕之さんからのワンポイントアドバイスと実際にDAC登頂隊が行ったトレーニングの様子をご紹介します。
山岳ガイド・倉岡裕之氏のワンポイントアドバイス
ワインと肉の国アルゼンチン。7,000mに迫る大きな山ですが、頂上まで雪がないこともあることから過小評価されやすいアコンカグア。しかし一旦荒れ狂うと想像を超えた牙をむき出しにする。
1961年生まれ。
日本人初の世界七大陸最高峰ガイディング。
エベレスト登頂回数は8 回を誇り、日本人最多記録を保有している。
日本人では数少ない海外高峰登山ガイドとして活躍中。
日本山岳ガイド協会登攀ガイド。
http://www.hiro-kuraoka.com/
- ポイント
- 日本からの必要日数=22-25日間
- すべてテント泊
- 基本的にポーターレス(もちろん雇うことは可能)
- 登山装備はヒマラヤの7,000m峰と同等のものが必要
- 登山道具はメンドーサですべてレンタル可能(あまりオススメはしません)
- なぜか血圧140以上でドクターストップ…
- おすすめトレーニングメニュー
- 2-3日間のテント泊縦走登山
DAC登頂隊が行ったトレーニング
高所テスト
高山病は個人差が大きいので、まずその個人差を調べてからトレーニングに入ります。
有酸素運動
高山病対策には有酸素運動が効果的。それぞれ、ランニングやウォーキングで訓練。ランニングの目標は月100~150km。エレベーターやエスカレーターを使わない、重い荷物を持って行動するなど、日常的でのトレーニングも意識しました。
登山訓練
白馬三山縦走(2泊3日)
実際のアコンカグアを想定し、「テント泊に慣れる」「重い荷物に慣れる」「コミュニケーションを深める」ことを目的として白馬三山を縦走。基本的な歩き方やパッキングの技術、軽量の工夫などもガイドさんから指導していただきました。
北アルプス 表銀座~槍・穂高縦走
(2泊3日)
連日10時間以上、トレーニングのためにもほとんど止まらず歩き続けました。
冬山登山(富士山に2泊3日)
雪上訓練。基本的な雪山の歩き方から、アイゼンやピッケルといった用具の使い方の習得までを目的としたトレーニング。
八ヶ岳縦走(2泊3日)
一番の目的は、どこまで装備が寒さに耐えられるかの確認。アコンカグアでは使いませんが、フィックスロープを使ったユマーリング練習も。
低酸素トレーニング
高所テストを行ったミウラドルフィンズにて。初回4,000mの設定から出発が近づくにつれて500mずつ6,000mまで高度を上げていきます。低酸素ルームで運動をしたり、仮眠をとったりして自分の傾向を知り、順応させていきます。
トレーニングの様子は
ブログでさらに詳しくご紹介しています!
是非ご覧ください