キリマンジャロってどんな山?
キリマンジャロはタンザニア東部にあり、標高は5,895m。山脈に属さない独立峰としては世界一の高さを誇ります。美しい山並みと多様な動植物が評価され、1987年にキリマンジャロ山を含むキリマンジャロ国立公園が世界自然遺産に登録されています。赤道近辺ではありますが、標高が高いため高山気候となり、山頂部には氷河も存在します。登山ルートも整備されていて、セブンサミッツの中では難易度は低め。登山家ではなくても、強靭な体力と万全の準備があれば、山頂までの登山を楽しむことができます。とはいえ、標高6,000mせまる世界有数の高峰であることには変わりなく、高山病の対策は必須になります。
DAC登頂隊が辿ったルート
キリマンジャロの主な登山ルートは6本あり、人気の高いマラング・ルートで登頂を目指しました。ジャングル地帯や草原地帯、砂漠など、多彩な景色や独特の植物を見ることができます。下山後はタンザニアの世界遺産・ンゴロンゴロ自然保護区でのサファリを楽しみました。
登山のポイントと必要なトレーニング
セブンサミッツの中では比較的登りやすいといえるキリマンジャロ。
とはいえ、標高は6000mに近く、酸素の濃度は平地の約半分にもなります。
そうなると個人差はありますが、頭痛、不眠、食欲不振、吐き気など、風邪に似た症状が現れ、ひどい場合には、肺水腫や脳浮腫などの重篤な症状を引き起こすこともあります。
そのため、体力づくりはもちろん、高所に対応できるような低酸素トレーニングが必須となってきます。高度順化するためには日本では【3000m級の山に登る】【低酸素室でトレーニング】の2つの方法があります。
ここでは、セブンサミッツのガイドを務めてくださっている倉岡裕之さんからのワンポイントアドバイスと、実際に登頂隊が行ったトレーニングの様子をご紹介します。
山岳ガイド・倉岡裕之氏のワンポイントアドバイス
技術的に易しいですが、その高度順応スケジュールには命がけ的なところがあり、決して登頂率は高くはないはずです。前に進むしかない登山スケジュールなので日本国内での高度順応が役に立つでしょう。
1961年生まれ。
日本人初の世界七大陸最高峰ガイディング。
エベレスト登頂回数は8 回を誇り、日本人最多記録を保有している。
日本人では数少ない海外高峰登山ガイドとして活躍中。
日本山岳ガイド協会登攀ガイド。
http://www.hiro-kuraoka.com/
- ポイント
- 日本からの必要日数→10-14日間。
- 基本山小屋に宿泊しますが、テント泊を選べるルートもあります。高度順応スケジュールがタイトなので事前に富士山、低酸素室などで順応しやすい脳を作っておくことが役に立つでしょう。
- 赤道直下ですが、山の上では氷点下になり、氷河も存在します。
- ナイロビ経由の場合は治安に注意!
- おすすめトレーニングメニュー
- 直前の富士登山、できれば山頂宿泊
- 週末の山歩き
- 山小屋泊の登山
DACキリマンジャロ隊が行ったトレーニング
高所テスト
高山病は個人差が大きいので、まずその個人差を調べてからトレーニングに入ります。
有酸素運動
高山病対策には有酸素運動が効果的。体力づくりの一環として、上野(DAC本社)から千葉県我孫子市(DAC代表宅)まで32kmのウォーキングをしました。
登山訓練
南アルプスにある鳳凰三山、そして富士山は2度にわたり登山。富士山では低酸素で睡眠をとること、どういう行動から高山病になってしまうのかを理解することを目的として訓練しました。
低酸素トレーニング
高所テストを行ったミウラドルフィンズにて。初回4000mの設定から出発が近づくにつれて500mずつ高度を上げていきます。低酸素ルームで運動をしたり、仮眠をとったりして低酸素環境での自身の体質傾向を知り、高所順応させていきます。
トレーニングの様子は
ブログでさらに詳しくご紹介しています!
是非ご覧ください